水族館の一日の売上を フェルミ推定 してみた

 フェルミ推定 とは?

皆さんは フェルミ推定 をご存じだろうか?

この記事では、 水族館の一日の売上をフェルミ推定してみた。是非、就活中の方は フェルミ推定の例題として解いてみて欲しい。

フェルミ推定とは就活でコンサルティングファームなどの採用試験で使われる推定方法で想像付かないような数字を論理的思考力を用いて概算する手法のことだ。

例えば、都内のとあるカフェの一日の売上を推定したいとする。

まずは売上を因数分解してみよう。

水族館の一日の売上をフェルミ推定

ざっくり分けるとカフェの一日の売り上げは上のような式で表される。

ここで更に客数を因数分解してみよう。

水族館の一日の売上をフェルミ推定

客数を因数分解すると、更に上のような式になる。※稼働率とは席数が埋まっている割合のことを指す。

どんどん、要素を因数を分解していくとなんとなく実感として数字が想像できるようになってくるのではないだろうか。

例えば、カフェの平均客単価は300円くらいで、席数は大体一店舗あたり100席くらいで大体1時間で1回転。座席の稼働率に関してはピーク時と非ピーク時で大きく異なりそうだから、場合分けして考えよう。営業時間を8:00-20:00とすると、半分がピーク時=稼働率80%, 残りの半分が非ピーク時=稼働率40%とする。これらの数字を代入すると、ピーク時:100*0.8*6*300=144000円+非ピーク時:100*0.4*6*300=72000円であり、これらを合計すると216000円おのずと一日のカフェの売り上げがもとめられるというからくりである。

 水族館の一日の売り上げを推定してみる

このフェルミ推定を私の愛する水族館を用いてやってみたい。

フェルミ推定を行ううえで大切なことは以下の3つだ。これを意識して解答を作っていこう。

フェルミ推定 で大切なこと

できれば、皆さんも5分ほど手を動かして回答を考えてみて欲しい。

フェルミ推定

私の回答

 フェルミ推定の解き方や答えは人それぞれだがあくまで一例として私の回答を紹介したい。

まず、前提条件の定義から行う。ここがしっかりしていないと、問題が抽象的で考えるのが難しい。

今回は対象水族館を23区内の大型水族館と仮定する。また、水族館は平日と休日で観客動員が大きく異なるため、売り上げのメインである休日の一日の売り上げについて考えることとする。

それでは、計算していこう。まず、水族館のビジネスモデルを考えると、メインは何といってもチケットからの収益だ。ただ、それ以外にもグッズ売上や飲食売上が存在するのでチケット売上とチケット外売上(グッズ+飲食+α)に分けて考えていこう。

まず、メインのチケット売り上げについて考えよう。

水族館の一日の売上をフェルミ推定

チケット売上はざっくり因数分解すると上のようになる。

チケット単価は都心周辺の水族館の大体の平均値を取って、2000円としよう。

問題は客数だ。ここの算出方法が今回のフェルミ推定の精度に直結すると考えられるため慎重に行う。

ここでは、より精度を上げるため二つのアプローチを用いて客数を概算してみる。フェルミ推定ではいろいろな考え方の引き出しを持っておくことが得に重要だ。

 PLAN A

一日の客数を求めようとすると、限定的で計算が困難なため年間の来場者を算出し, そこから逆算しよう。

水族館の一日の売上をフェルミ推定

東京都の人口×水族館訪問頻度×当水族館選択率

で求められる。東京都の人口は約1000万だ。そして、水族館の訪問頻度は大体3~5年に一回行くくらいな人が多いのではないだろうか。そして、水族館といっても都内周辺には人気の水族館がそこそこある。葛西、池袋、品川、川崎あたりを競合とみて1/5としよう。

値を代入すると、1000万*1/5*1/5=40万

これは年間の来場者数なので、まずは52で割って週ベースの来館者数を割り出す。続いて、日ごとを割り出すが単純に7で割るのではなく、土曜・日曜・平日5日で来館者数を1:1:1として計算する。

40万÷52÷3=2564名

 

PLAN B

 

水族館の一日の売上をフェルミ推定

続いてのアプローチは一日の来場者数=館内客数×回転率として計算する。つまりある一時点でどのくらいの人数が水族館の館内にいるのかを推定する。水族館の滞在時間は長くて2時間、平均で1時間半くらいであるから、営業時間を10:00-19:00と仮定すると一日で6回転する。

そして、一時点あたりでの館内客数を推定する。まず、水槽数×1水槽あたり平均観覧者数に因数分解する。水槽数を50、一水槽あたりの平均観覧者を5名とすると250名

250×6=1500名と求められる。

上のPLAN A, PLAN Bから一日の水族館の訪問者数は大体1500名から2500名のレンジと想像できる。

これで一日の来館者数がもとまったので、

一日の来館者数(ざっくり2000名)×チケット単価(2000円)=400万円

とチケット売り上げがもとまった。

続いてチケット外収益は

来館者数*グッズ購入率*グッズ単価+来館者数*館内飲食率*飲食単価

で計算しよう

ざっと数字を代入して

2000*0.2*1000+2000*0.5*500=90万円

したがって、チケット売り上げとチケット外売り上げを合計して

 490万円という値が出る。

 検証

 最後に概算した値が正しいかを検証して今回私が算出した値が現実にどれだけ近かったかを検証する。フェルミ推定では、解き終わった後に毎回必ず検証をして自分の解答の精度を確かめて、解答と現実がどれほど乖離しているかを確かめることが大切だ。ここで、どの変数の概算方法が悪かったのかはっきりさせることで、次のフェルミ推定の精度向上につながるし、実際どんどん精度が上がってくる。

今回は重要な変数として2通りのやり方で算出した一日の来館者数が重要であるため、実際の水族館の一日の来館者数を見てみよう。こちらに年間の水族館の来館者数のデータが載っている。

都内の大型水族館に目を向けると年間100万人単位の集客を達成している水族館が多い。今回の回答ではPLAN Aで40万人、PLAN Bで24万人程度と概算しているのでかなり少ない値で出てしまっていることになる。

PLAN Aに関しては、計算方法に年間パス来場者などのリピーター層を考慮せず計算していることが理由に挙げられるだろう。しかし、水族館の年間パスは2回で元が取れることが多いので、年パスユーザーが年間5回訪れても売り上げ的には2回のチケット料と変わらないので、売り上げはそこまで上振れしないのではないだろうか。

まとめ

 いかがだっただろうか。フェルミ推定は非常に良い頭の体操になるし、習慣にすると日常の些細な事象でも数字を用いて考えられるようになる。興味を持った方は、是非こちらの例題集なども使って取り組んでみて欲しい。

また、こちらの本は問題と解き方がセットで非常に丁寧に書かれているため、おすすめだ。論理的な思考法身につけるのに最適なので是非、チェックしてみて欲しい。

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