2023年 8月水族館ニュース

2023年8月水族館ニュース

松坂屋静岡店、閉館後の水族館貸し切りサービス

松坂屋静岡店に位置するスマートアクアリウム静岡が閉館後の7-9時に水族館の貸し切りサービスを開始した。

通常営業の場合、夕方から夜間帯の営業については、トワイライトチケットという形で値段を下げて人を呼び込むやり方が多い。

閉館間際のため、客足が遠のくことを見越して、チケットの価格を安くしているのだ。

しかし、これでは夕方から閉館までの売り上げが低下してしまう。

このように、水族館にとっての課題は夜間の遊休時間であり、水族館が営業をしていない時間でも、ポンプを回し、高額の電気代を払わなくてはならない。

これを貸し切りという形でイベントのような形で場を提供することで、夜間は通常営業とは別の形で営業をしようという試みだ。

最大100人は入れて、料金は1時間あたり5万円(税別)であるという。

チケット料金は¥2,000であるとすると、1時間あたり、25人入った場合の売り上げと同じ売り上げだ。

閉店間際だから、これだけのチケット売り上げが見込める可能性はほぼないだろうから、

こういう活用も面白い。

海響館(山口県)のリニューアルが決定

山口県にある海響館(下関市立しものせき水族館)のリニューアルが決まった。

2001年4月の開業から大規模な改修工事は実施しておらず、耐用年数を超えた施設の改修を実施する。

また、リニューアルの背景には年々減り続けている来場者数の増加に向けての話題作りの意味合いもあるだろう。

以前、水族館2020年問題というのを記事で取り上げた。

バブル期の80年代から90年代にかけて建てられた公共の水族館やテーマパークの改修時期が2020年を境に続々と訪れ、地方自治体の財政を圧迫するという問題だ。

海響館の場合は20年とやや早いスパンでの改修だが、リニューアルを機にどれだけ話題作りをできるかが肝だ。

近年だと、アクアワールド大洗のジンベイザメ飼育の新設、須磨海浜水族園の神戸須磨シーワールドへの生まれ変わりなど大規模で話題化しているリニューアルも見られるため、海響館の生まれ変わった姿にも期待したい。

「パラオとサンゴ礁の水族館」オープン

夏休みに合わせて、愛媛県松山市内のデパートに期間限定の水族館が10日にオープン。

8/10から27までの営業で今年で13回目。

サンゴ礁に住むサメやメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)などの魚やコツメカワウソなどを展示しており、子供が楽しめるタッチプールがある。

パラオは太平洋に浮かぶミクロネシア地域の島の一つで、パラオの海は非常に透明度が高く観光地やダイビングで有名だ。

今年は厳しそうだが、是非いつか訪れたい。

サンゴ礁の白化問題とは?

水族館ニュースでパラオのサンゴ礁について取り上げたので、今回はサンゴ礁の白化問題について簡単に解説していきたい。

サンゴ礁の白化問題とは海水の高温化に伴い、サンゴが白化・死滅してしまう問題のことを指す。

サンゴとは実は植物ではなく、動物でありサンゴの体内には単細胞の藻類が生息して光合成を行っているのだ。

海水温が2℃高くなるだけで、この褐虫藻が死滅することにより色が抜けてしまうという。

要するに地球温暖化によりサンゴの死滅が加速しているというわけだ。

では、そもそもなぜサンゴ礁がなくなることが問題なのだろうか?

それはサンゴ礁が海洋において非常に重要な役割を担っているからにほかならない。

環境省のページから引用をすると、

①サンゴ礁は多様な生きものたちのすみかであるとともに、漁業や観光の資源としても有用である。

②サンゴ礁は成長すると、陸地を囲む海中の堤防のように、陸地を波から守る役目を果たす。

上記のような役割をサンゴは担っているのだ。

特に生態系の部分は重要で、サンゴ礁は海の中で最も多くの生き物がすむといわれている。

グレートバリアリーフなどがその象徴であろう。

サンゴ礁は藻類など小さな生物に隠れ場所となるすみかやエサを与えるのだ。

サンゴ礁保全の対策としては、

①天敵となるオニヒトデなどの駆除

②サンゴの生育を妨げる土砂や海洋ゴミの流入を減らすこと

などが行われている。

地球温暖化問題にアプローチをして、課題解決するには時間がかかるが、まずは足元からできる取り組みから実践していこうというわけだ。

水族館でもサンゴ礁の白化問題に関して、啓蒙する展示などが度々見られるが、我々もまずは自分たちができることとして、海洋ゴミを出さない・拾うなどを心掛けてサンゴの保全に努めたい。

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