2022年5月 水族館ニュース
水族館ブログ 孤独の水族館 5月号
今月も5月の水族館ニュースを振り返る。5月は少し悲しいニュースが多めになってしまった💦
しかし、今後の水族館の在り方を左右しそうな大きなニュースが多かったのも事実で丁寧に解説していきたい!
Table of Contents
今月の水族館ニュース
①しながわ水族館のリニューアルが決定、イルカショーは廃止に
しながわ水族館の建て替えが決定した。
来場者数の減少・水槽やアクリルパネルの経年劣化が理由だという。
個人的には幻想感漂う水中トンネルや、少し寂れたような独特の雰囲気が好きであったので、残念だ。
また、当館の目玉であったイルカショーも廃止になるという。イルカショーの実施については賛否あるが、また、一つ日本からイルカショーが消えてしまうことになる。
なお、イルカショーを廃止すべきか否かについてはこちらの記事で詳しく解説している。
私はイルカショー賛成派であるが、時代の流れを踏まえると、しながわ水族館のような公立水族館がイルカショーを実施するのはリスクが大きいので、妥当な判断だと思っている。
②名古屋港水族館のベルーガ「ホドイ」が死亡
シロイルカ:ベルーガとも呼ばれる。北極海やオホーツク海などに生息。かつては鯨油を目的とした乱獲が行われ、生息数は激減したが、その後の保護活動によって生息数は回復してきている。
国内飼育下では最高齢のベルーガ・ホドイが死亡した。名古屋港水族館のベルーガ「タアニャ」が死亡したというニュースを先月の記事でお伝えしたばかりで、驚きだ。
なお、名古屋港水族館にはいまだ4頭のベルーガが飼育されているという。
国内最高齢の44歳で死因は老衰だという。ご冥福をお祈りしたい。
➂国内最高齢ラッコの明日花、老衰で死亡。
鴨川シーワールドのラッコ明日香が死亡した。23歳で死因は老衰とみられている。これで国内のラッコは、三重県鳥羽市の鳥羽水族館に2頭、福岡市のマリンワールド海の中道に1頭の計3頭となってしまった。
ラッコは絶滅の危機があることから、現在輸入が制限されている状況で国内の残りの個体も高齢で繁殖が見込めないことから今後、日本でラッコが見られなくなる可能性がますます高まった。
1994年のピーク時には、全国の28施設で122頭のラッコが飼育され、水族館のスター的な地位を築いてきたラッコだが、その姿が国内で見られるのもあとわずかかもしれない。
鳥羽と福岡に足を運んで出来る限りその姿を目に焼き付けておきたい。
今月書いた記事
①水族館で展示できない生き物たち
実は結構いるまだまだ水族館では展示することが出来ていない生き物たちについて紹介。
②アメリカの水族館 おすすめ5選
これまで国内の水族館に関する記事ばかり書いていたので、新たに海外の水族館にフォーカスした記事を書いてみた。今後、他の国の水族館についても書いていく予定だ。
ラッコはなぜ絶滅危惧種になった?
前述したように日本では今後ラッコが見られなくなる可能性が高まっている。理由はラッコが絶滅の危機に瀕しているからだ。その理由は何だろう?
人為的な理由が重なりラッコは絶滅の危機に
ラッコは毛皮を目的とした乱獲や、米アラスカ沖で1989年に起きたタンカーの原油流出事故の影響で生息数が激減したとされている。
タンカーから流出した油のせいでラッコは水の上に浮いていることができなくなり、多くが溺死してしまったいう。
また、ラッコは大食漢としても知られており、1日に食べる餌の量は体重の25%にも上る。従って、人間の漁場でウニやカニなどの漁獲類を食い荒らしてしまうため、漁師から敵として認識されてきた。
このような人為的な要因が重なり、ラッコは激減してしまった。
現在、アメリカでは国内法で野生のラッコの捕獲や輸出は原則禁止され、2000年には国際自然保護連合(IUCN)がラッコを絶滅危惧種に指定した。 また、日本への輸入は03年にロシアから輸入されたのを最後に途絶えている。
ラッコは生態系において重要な生き物
キーストーン種という言葉を聞いたことがあるだろうか?
キーストーン種:生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物種を指す生態学用語。
高校生物の教科書に出てくる用語であるが、ラッコはこれにあたる。
例えば、カリフォルニアの海でラッコの個体数が少なくなると、ラッコが餌として食べていたウニが増える。普段はラッコから隠れて生活していたウニは積極的に海藻を食べるようになり、遂には海藻で覆われていたエリアをただの岩場に変え、魚など様々な生き物の住処を破壊してしまう。
更に海藻が食われてなくなってしまうということは、地球温暖化の進行にもつながる。
実際、カリフォルニアのモントレーベイ水族館ではラッコを保護して増やす活動を行っておりその個体数を増やすことに成功している。
このような取り組みが各地で進んで、またラッコの個体数が一定の水準を上回れば、日本で新しいラッコが見られる日もまたやってくるだろう。その日を楽しみに待ちたい。