2022年10月 水族館ニュース

2022年10月 水族館ニュース

10月の水族館ニュースを紹介する。

10月といえばハロウィンの季節。全国各地の水族館でハロウィンをテーマにした期間限定展示が実施された。

加茂水族館でシーウォールナッツが国内初展示。

山形県の加茂水族館はオーストリアのシェーンブルン動物園から譲り受けた「シーウォルナッツ」というクラゲの展示を始めた。国内初展示であるという。

成長すると体に小さな突起が複数現れ、クルミのような表面になる。

クラゲを交換する取り組みとして9月中旬、同館はカブトクラゲを贈り、シーウォルナッツの幼生10匹を譲り受けた。

加茂水族館は過去にクラゲの展示種類数でギネスを受賞した水族館で今後も珍しいクラゲの飼育への挑戦に期待だ。

全国各地の水族館でハロウィンをテーマにしたイベントが開催。

10月は各地の水族館でハロウィンをテーマにしたイベントが開催された。

品川水族館では、マッスルハロウィンというイベントが開催。

生き物の身体能力にフォーカスしたイベントで展示生物は、タコ、モンハナシャコ、テッポウウオなどがメインだ。

また、ゴールドジムとコラボし、トレーナーによる筋肉トークも行うという。

定期的に期間限定展示を実施しているしながわ水族館であるが、特に気合の入ったイベントとなった。

また、西日本では山口県の海響館でも ハッピーハロウィンin 海響館 という企画展示が行われた。(10/1~10/31)

エントランスではオレンジ色の「ハマクマノミ」や黒の「ミツボシクロスズメダイ」などハロウィンにちなんだカラーの魚が展示されている。

また、「ハロウィンナイトエリア」と名付けられた特別展示では、赤くライトアップされた薄暗い水槽の中で、ウツボやテヅルモヅルの仲間やナマコの仲間などなど見た目が少し不気味な生き物の泳ぐ様子を見ることが可能だ。

おたる水族館、札幌都心の水族館運営へ

おたる水族館が札幌市中心部のサンデパートビル跡地の再開発複合施設「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」内に開業する水族館の運営に関わる。

昨今では、カワサキ水族館やスマートアクアリウム静岡など都市型水族館が多く建設されている。

そのトレンドに乗って北海道でも札幌の中心地に都市型水族館が誕生する運びとなった。

ハロウィン×水族館の可能性。

ハロウィンはここ数年、バレンタインをも超える新しい日本のイベントとして急成長を遂げている。

日本で10月=ハロウィンというイメージが定着したのは、1997年に東京ディズニーランドで、また2002年にUSJでハロウィンイベントが開催されるようになってからであるという。

特にUSJではマーケターの森岡毅が2011年に「ハロウィン・ホラー・ナイト」=現在大人が仮装して大騒ぎするスタイルを最初に大規模に仕掛けた。

森岡毅氏は、USJを低迷から復活させたと言われる有名なマーケターであり、下の本にUSJを復活までのストーリーが描かれていて、考え方やマーケティングについての理論が大変勉強になるので是非、一度目を通してみて欲しい。

ハロウィンホラーナイトで森岡氏は「ストレスを溜めているのに、なかなか発散できない日本の大人の女性をターゲットにしたら、ヒットするのではないか?」という仮説のもと、イベントを実施し見事成功に導いた。

今では、渋谷のハロウィンイベントではストレスを発散しすぎて、法に触れるような行動が散見され問題しされているが、適度に暴れてストレスを発散できるイベントとしてハロウィンは特別なのだ

水族館でもハロウィンを模したイベントは全国各地で行われており、

ハロウィンカラーの生き物や少し不気味な生き物が展示されるなど各地で盛り上がりを見せている。

一方で、私が水族館のハロウィンイベントに感じるのは、ハロウィンというイベントの肝である参加者がストレスを発散するという側面を水族館のイベントでは上手く活かせていない点だ。

来場者の心理に立ってみると、ハロウィン仕様の館内を体験したり、珍しい生き物を体験することは新鮮な体験ではあるが、それは秋という季節を感じる程度で春・夏・冬という他の季節とあまり変わりがないのだ。

他の季節の特別展とあまり違いがないということは、ハロウィンイベントをやっているからリピートして訪れようという動機になりにくいのである。

例えば、水族館の館内をナイトタイム(18:00-20:00)だけお化け屋敷仕様にする、館内で仮装イベントを実施するなど来館者に普段とは大きく異なる体験を提供できるイベントを実施しても良いと思う。

また、ハロウィンに限らず10月はオクトーバーフェスの季節でもあるため、

館内のレストランなどでビールの飲み比べイベントなんかを実施しても良い。

今後、もしかしたらどこかの大型水族館で例に挙げたようなイベントが開催される可能性もあるかもしれない。

今後の水族館の季節を利用したマーケティング戦略にも注目だ。

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