2022年8月 水族館ニュース

水族館ブログ 孤独の水族館 8月号

今月も8月の水族館ニュースについてお伝えする。

8月は二つの水族館で新種の生物が見つかるというニュースが飛び込んできた。

江の島水族館の「エノスイグソクムシ」と大洗水族館の「オトヒメクラゲ」だ。

今回の記事ではこれまでに日本の水族館で見つかった新種の生物やその発見物語にフォーカスを当てて解説したい。

 ①江の島水族館の標本から新種「エノスイグソクムシ」が判明

江ノ島水族館でダイオウグソクムシの標本として展示されていた個体が実は、新種の生物であることが発覚した。

台湾の研究者が遺伝子情報を調べたことで発覚。

新種の命名権は発見者にあるが、台湾の研究者は新江ノ島水族館にちなんで「エノスイグソクムシ」と名付けたという。

水族館の名前が生物の名前に取り入れられるとは面白い。

こういう事例があったということは、実は他の水族館の標本にも既知の生き物だと思って展示していた生物が遺伝子情報を調べてみたら実は新種であったみたいなことがあるかもしれない!

 ②大洗水族館採取のクラゲが新種と判明

オトヒメクラゲ

大洗漁港で採集されたクラゲが新種であることが判明した。

研究にあたったアクアワールド大洗魚類展示課の斎藤伸輔さんら各地の専門家で「オトヒメクラゲ」と命名。

オトヒメクラゲの名前の由来はクラゲの姿がウラシマクラゲに似ているため、おとぎ話「浦島太郎」で主人公の浦島太郎に玉手箱を贈った乙姫になぞらえたという。

実はこのクラゲは飼育員の齋藤伸輔さんが、17年前に大洗漁港で初めて採集し、その後も何度か同じクラゲを見つけたため新種かもしれないとして標本にしていた。

それが、今回のアクアワールド大洗を含めた共同研究により新種と判明したのだ。

飼育さんの長年の調査が実った成果となった。

 ➂日本初の水族館バーチャル移転プロジェクト発足

昨年の9月に閉館した油壷マリンパークがバーチャルの世界で復活する。

この水族館は2021年10月7日~10月31日の間に行われたクラウドファンディングによってプロジェクトが進行された。

バーチャル水族館は添付したリンクからアクセス可能なので、是非皆さんも訪問してみて欲しい。(入館料無料)

 水族館ではどれほど新種の生物が見つかっているのか?

前述したように8月だけで水族館で新種の生き物が見つかった事例が2件もあった。

実は水族館で新種の生き物が見つかるのは珍しいことではなく、過去にも多くの生き物が水族館で見つかっている。

現に沖縄美ら海水族館だけでもこれまでに37種の新種の生き物が見つかっているのだ。(2020年時点)

水族館にはレジャー施設としての顔だけではなく、研究施設としての側面も持っているのだ。

今回はその中でも水族館が新種を発見した特徴的な事例を紹介していきたい。

 ①長年飼育していた巨大なエイが実は新種と発覚。

2020年、いおワールドかごしまで20年以上も「トンガリサカタザメ」として展示してきたエイが、実は新種のエイだと発覚。

新種は頭部がお化けのようにも見えることから「モノノケトンガリサカタザメ」と命名された。

飼育中の2匹を見た黒潮生物研究所の研究員が、本家のトンガリサカタザメとは頭の形などが微妙に違うことを見つけ、共同研究により新種と特定。

実はこの後に長崎ペンギン水族館で飼育されていたトンガリサカタザメも「モノノケトンガリサカタザメ」であったことが発覚している笑

このように実は同一種だと思っていた生き物が遺伝子レベルで調べてみると、違う種類であったという事例は多々あるが、これだけ大きい生き物で新種が発覚するのは珍しい出来事だ。

 ②沖縄美ら海水族館で114年ぶりの新種発覚

2020年、沖縄美ら海水族館で飼育されているクラゲが新種であると判明し、「デイゴハナガサクラゲ」と命名された。

「デイゴ」を連想させるように赤色っぽく蛍光発色するのが特徴。

ハナガサクラゲ属としては、114年ぶりの新種報告であった。

これまでに沖縄美ら海水族館が発見した新種は2020年時点で37種に及ぶ。

美ら海水族館には飼育員だけでなく研究者が多く所属しており、研究にも力を入れており、今後も新種の発見に期待大だ。

 ➂30年以上飼育されていたサメが新種と発覚

下田海中水族館で、30年以上飼育されていたサメが、実は新種だと発覚。

新種と判明したのは、これまで「トラザメ」として展示されてきたサメで、30年以上前に地元の漁船の網にかかったサメ数匹を、漁師が捕獲して水族館に提供した。

しかし、そのサメにはトラザメとは尾ビレの形が違うことや、卵の表面にトラザメの卵にはないざらつきがあったため、下田海中水族館は2016年から東海大学海洋学部と協力し、DNAを解析するなど研究を進めたところ新種であると判明。

トラザメより深い場所に生息することから「フカミトラザメ」と命名された。

このサメは30年以上前から飼育され繁殖まで成功していたというから驚きだ。

 まとめ

今後も水族館での新種の発見を月次の水族館ニュースを通して追っていきたい。

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