DeNAはTBS暗黒時代からいかに人気球団になったか?

今回はDeNAベイスターズがTBS暗黒時代からいかに球団を再建したかに焦点を当てて、解説したい。

DeNAが球団運営を始めてからは、観客動員数の増加は著しく、2019年には過去最多を達成した。

 暗黒と呼ばれたTBS時代

ベイスターズは2002年のTBSによる買収後、暗黒時代に突入する。

チームは晩年最下位で低迷を続け、フロントと選手の間に溝が生まれ内川聖一や村田修一、石井琢朗といった主力選手たちが毎年のように流出していく。

TBS側としても、2000年代後半には球団運営反対派が内部に増えていき、2012年のDeNAによる球団買収に至った。

 横浜スタジアム vs ベイスターズという構図

更にベイスターズを苦しめていたのは、横浜スタジアムだ。

通称ハマスタは、年間で8億円の使用料がかかるうえ、チケット収入の25%がスタジアム側に入っていく仕様になっていた。

更には広告料や売店売り上げも球団にも入ってこない仕組みとなっていた。

過去には「ベイスターズは横浜から出ていけ」という発言を会長がしていたという笑

これはとんでもない制約だ。

 大規模な地域密着施策=ハマスタ買収へ

 コミュニティボールパーク化構想

DeNAベイスターズ コミュニティボールパーク化構想

DeNAベイスターズは上記のような製薬がある横浜スタジアムの運営会社のTOB(株式公開買い付け)を2016年に成立させたのだ。粘り強いDeNA側の交渉が実った。

これによりチームカラーを反映させた球場改装や飲食スペースの充実など球場運営に関われる範囲が一気に拡大した。

これ以降、横浜スタジアムを含む横浜公園一帯の改修・整備を段階的に進める。例えば、スタジアムの外観や座席のカラーをベイスターズブルーに統一したり、ドリームゲートやグラウンドでの早朝キャッチボールなど市民と選手・スタジアムとの距離が近づく企画を積極的に打ち出してきた。

DeNAは、ベイスターズファンはもちろん、野球を知らない人でも気軽にスタジアムに足を運んでもらい、食事やおしゃべりを楽しんだりできる「憩いの空間」を創生するという目標=コミュニティボールパーク化構想を掲げた。

また、2020年からは横浜スタジアム外周を1周する高さ6mの「Yデッキ」のリニューアルに合わせ、新たに「Yデッキ」内の外野スタンド間から横浜スタジアムを見渡せるフォトスポットエリア「DREAM GATE STAND」が誕生。「スタンド」の間から横浜スタジアムを見渡せるということでより選手がプレーするスタジアム上という非日常空間が近く感じられるような仕掛けだ。

 横浜市を巻き込んだ地域密着施策

また、球団をより身近に感じてもらうために、毎年監督や選手が横浜市内の小学校を訪問するイベントを実施するとともに、鉄道会社と連携して、最寄りの駅をベースターズ仕様に改造しより多くの横浜市民に横浜=ベイスターズという印象を植え付けている。

他にも市長と協力し、マンホールなどの公共財にベイスターズのロゴマークをデザインするなど、地方自治体も巻き込んだ規模感で地域密着施策を実現できている。

こういった大規模な施策の成果は10年、20年経ってより明確に成果として表れてくるだろう。

 球場外で無料パブリックビューイング

「ハマスタBAYビアガーデン」はキッチンカーによるグルメや、ビールやソフトドリンクなどを飲みながら、ベイスターズの試合中継を大型ビジョンで見ることができる、入場無料のエリアだ。

球場外にこういったエリアを設けることで、より多くの人にベイスターズを身近なものに感じさせ、今度はチケットを買って試合観に行こうと次の収益につなげられるわけだ。

また、ホテル横浜ガーデンにてビュッフェ形式の食事と、飲み物を片手にベイスターズの試合のライブビューイングを視聴できるというイベントも実施している。

こういった無料のライブビューイングイベントを球場付近の各所で実施することで地域に多くのファンを作ることができるわけだ。こういったファンが熱狂的なリピーターとなり、球団の売り上げを支える。

 データに基づくマーケティング

 ターゲットはアクティブサラリーマン層

DeNAが球団を買収した当初、球団には来場者の属性に対する情報(年齢・性別等)が蓄積してなかったという。

そのため、多くのアンケートなどでデータを蓄積し、それを分析して、全社での戦略ターゲットを明確化。

結果、ターゲットとしたのが「アクティブサラリーマン層」であった。アクティブサラリーマン層とは、具体的には「職場は球場に近く、仕事の後に、開始から少し遅れて球場入りし、ビールを飲みつつ雰囲気を楽しみ、勝敗以外の盛り上がりや感動を重視する」と定義されている。

特にこの中でも重要な要素は、勝敗以外の盛り上がりや感動を重視するという点だ。ここから、スポーツエンターテイメントというコンセプトが生まれたのではないだろうか。

 ドローンや花火を使ったエンターテイメントショー

ベイスターズは昨年、試合終了後に、『STAR NIGHT X TIME TRAVEL』と題して、グラウンド全面のプロジェクションマッピング X ビジョン X ドローンの映像を掛け合わせたエンターテインメントショーを実施した。

2020年には弦楽四重奏の生演奏が行われ、バックスクリーン上の電光掲示板には宇宙をイメージした迫力あるCG映像が流され、レーザー照射や花火で球場全体を彩るイベントも実施された。

このように野球観戦という体験を試合を見るだけでなく、こういったショーも合わせた経験にすることで多様な客層を取り込む狙いが感じられる。

 アフターコロナの立て直しに期待

ベイスターズは2019年、球団創設以来最多の228万人を動員した。しかしコロナ禍に入った2020年は46万人、2021年は72.6万人に激減してしまった。

ここ二年、コロナで開催が見送られていた「ハマスタBAYビアガーデン」も復活予定だ。規制が取っ払われ、幅広いマーケティング手法が実施可能であるため、これからもDeNAベイスターズに期待だ。進化する横浜スタジアムに皆さんも一度足を運んだみてはいかがだろうか?(チケットはこちら)

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