メタバースはいかに水族館を変えるか?

昨今、よく聞くメタバースという単語。

今回は「水族館×メタバース」というテーマで水族館の未来の形を探りたい。

 メタバースとは?

メタバースは次世代のインターネットとも呼ばれる。

メタバースとは簡単に説明すると、「アバターを操作できる3次元の仮想空間」のことで、meta(超越)とuniverse(宇宙)を掛け合わせた造語だ。

有名なニュースだとFACEBOOKがメタバースを事業の柱に据えるべく、大規模な方針転換を行い、社名も「Meta」に転換したというものがあった。

FACEBOOKが事業の柱として注目するほど将来有望な市場なのだ。

メタバースのメリットとしては、

①アバターの行動に制限がなく、現実世界同様自由に動くことができる。

②3次元空間の中で他者と関わることができる。

といったようなものが挙げられる。

メタバースは3次元で行動に制限がないということが肝だが、本質的にはAmebaピグや動物の森のような二次元の仮想空間と大きな違いはない。

しかし、Metaは感染症の流行などでリモート化が進む世の中で、よりリアルに近い体験ができる仮想空間を作り出そうとしているのだ。

特にMetaが力を入れているのが、ビジネスの領域での活用

上述したゲームやエンターテイメントの領域に留まらず、メタバースサービス「Horizon Workroomsは、VRを使ったバーチャル会議などのビジネス上のコミュニケーションを目的としている。

また、メタバース上に機種変更の相談ができるソフトバンクショップが誕生したり、電通がメタバースでのイベントや広告支援を行うことを発表するなど、日本のビジネス界でもさまざまな動きが出ている。

 実際のメタバース活用事例

水族館と同じテーマパークの業界では、米ディズニーがメタバース戦略を推し進めることを発表することを発表し、話題になっている。

こちらはAR(拡張現実)の応用に近く、プロジェクションマッピング装置や施設内でARを体験するためのデバイスの導入を検討しているが、詳細は明らかになっていない。

また、日本のUSJではモンハンの世界をVR上で楽しめるエリアを導入するなどして、仮想現実上でゲームの世界観を楽しめるような取り組みをしている。

また、日本の企業がメタバース用のVRゴーグルの市場に多数参入しているというニュースもあった。

 水族館とメタバースの親和性は高い?

水族館に人々は、何を求めて訪れているのであろうか?

それは、日常的には目にしない海の生き物を近くで見たり、大水槽の水塊の塊に圧倒されることで、非日常を体感し感動することを求めているのだ。

マーケティングの有名な言葉に「顧客が欲しいのは、ドリルではなく穴」という言葉がある。

普通の水族館では見られない生き物や環境を再現

水族館でも同じく人々が求めているのは必ずしもリアルな生き物や水塊を体験することではないため、例えばVR上で水族館では再現できない北極や南極の凍った海や深海の世界を体験してもらい、同等の感動を与えることが出来ればそれで充分だ。

また、メタバース上であればこれまでの水族館では展示できなかった生き物を仮想空間上に表現できるし、過去に絶滅してしまった生物も再現可能だ。

水族館を仮想空間上で訪問

四国水族館はNTTと協力してオンライン遠足を実現した。

NTTの研究技術「VR 高効率配信技術」を用いた体験型の授業であるという。

内容は園児一人ひとりに手渡されたタブレットに水族館のVR(仮想現実)パノラマ映像が流れるというもので、360℃カメラで撮影されているので、タブレットを異なる方向に傾けると実際に水中の中にいるかのように映像も移り変わるという。

実際に水槽に潜って魚を探せたりするのはVRならではなお体験だ。これがVRゴーグルを使うより本格的なものになるとよりリアルな水族館を感じられると思う。

なお、四国水族館はMR技術を用いた展示も行っていて、新しいテクノロジーへの挑戦意欲が高い

他にも海遊館などがMRスタートアップと協力して、メタバースに挑戦するなどの動きを見せているようだが、是非海洋立国日本の底力を見せて世界一のメタバース水族館を世界に先駆けて作って欲しい。

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