【マーケティング】 ヤクルト1000 はなぜこれほど人気になったか。
かい『高額転売続出？ ヤクルト1000 が人気』という記事を見た。
かくいう私は大のヤクルトスワローズファンで、ヤクルト1000の売れ行きも絶好調、スワローズも交流戦を最高勝率で優勝し、セリーグでも首位を快走し親会社・球団ともに絶好調だ。
この記事ではなぜヤクルト1000がこれほど話題になっているのか？その理由に迫りたい。
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ヤクルト1000 とは？
ヤクルト1000:「乳酸菌 シロタ株」がヤクルト史上最高密度の１本（100ml）に1000億個入った、乳製品乳酸菌飲料。
一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」「睡眠の質向上」「腸内環境改善」の機能を持つ機能性表示食品として売り出されている。
主に宅配用で販売されていたが、昨年１０月からはコンビニなどの店頭で販売が開始された。そこから、人気が高まり、現在は品薄状態が続いている。７月から段階的に増産する予定だという。
値段は1本税込み140円で7本セットで980円。
睡眠の質を高める効能を持つ商品の市場は拡大しており、アリナミン製薬からアリナミンナイトリカバー、カルビーからにゅーみんという商品が発売されるなど他社からも新商品が続々出ている。
特にアサヒ飲料から出ている 「届く強さの乳酸菌」Wは同じく乳酸菌で睡眠の質を改善する商品でありながらヤクルト1000のように在庫切れという状況ではないので、今後注目が集まりうる商品でありおすすめだ。
①科学的に効能が証明された
乳酸菌シロタ株：ヤクルトの創始者となる医学博士 代田 稔（1899-1982）によって発見、強化培養された乳酸菌の一種。生きたまま腸に届き、良い菌を増やし悪い菌を減らす。
ヤクルトは腸内環境を良くする乳酸菌シロタ株が含まれていることが売りの商品であった。この乳酸菌シロタ株について、基礎研究で高密度にすることで神経系に作用することが明らかになった。具体的に交感神経の働きを抑制するのだ。
交感神経：活動している時、緊張している時、ストレスがあるときなどに働く自律神経
更に口コミを調べてみると、実際に使ってみた体験としても睡眠の質が改善されたというものも多い。
こういう食品の効能というのは研究的な裏付けが取れると、実際に味や効果がそこまで変わってなくても人は味や効果が変わったと思うことが多い。
私は学生時代、食品系の研究をしていたが自分ではそこまで味が変わったと思わなかったが、アミノ酸の値が少し高くなれば企業としては、大体的に美味しくなったと打ち出せるし、人もそう思うことが多いと感じた。
②サラリーマンをターゲットにした
私にとってヤクルトのイメージというのは、健康意識の高い人や腸内環境をよくすることに特段ニーズがある人が日常的に飲用する商品というイメージであった。
しかし、ヤクルト1000は『ストレス解消』『睡眠の質改善』という効能を大きく打ち出した。
このような打ち出し方でマーケティングをすることの大きなメリットとしては、お金を持っていてかつ絶対数の多いサラリーマンをターゲットにできることにある。
ヤクルト1000はサラリーマンが共通で抱えている課題を解決することにフォーカスしたことで、特定の人の課題を解決するツールから圧倒的に母数の多いサラリーマンの課題を解決するツールになりあがったのである。
実際にヤクルト1000は睡眠周期が不規則な芸能人の間でも人気で実際に使用したという口コミが出てきておりこれに影響された一般人も多いと思う。
➂生産量を絞ったこと
3つ目の情報に関しては、結果的にそうなったという話だがヤクルト1000は需要に対して生産が追い付かず売り切れが続出している。
手に入れたくても手に入らないかもしれないというプレミアム感が需要により拍車をかけていると思う。
例えば、アパレルブランドのSupremeは販売数量を絞ることでブランドの価値を高めている。
こうした状況からSupremeの人気アイテムは海外で「Supremium(シュプレミアム)」とも呼ばれ、リセールマーケットで数倍、時には数十倍の値段で取引される。
実際にヤクルト1000もメルカリで高額転売が相次ぎ、冷蔵保存が必要な食品の出品を禁止しているメルカリがガイドライン違反として出品を削除しているというニュースが出ていた。
まとめ
ヤクルト1000の成功には乳酸菌と脳の関係を科学的に証明した研究側の貢献と母数の多いサラリーマンをターゲットにマーケティングを行った事務側の貢献が合わさってここまでの人気を生み出しているのだろう。
現在入手が難しいヤクルト1000は7月から増産するということなので、プレミア感は薄れるかもしれないが今後もストレス解消・睡眠の質改善を謳った商品の市場は拡大は見込まれるだろう。
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